私がこの街を愛する理由

　私には、住みたいと思う街についての明確な条件があります。

　若者が多く、常に賑わいがあふれていること。

　できる限り都心に近い場所であること。

　とびきりのコーヒーが味わえる店があること。

　おいしいパン屋さんがあること。

　思い立ったらいつでも外食できるお店がたくさんあること。

　夜中でも街には人影があって、安心して出歩ける場所であること。

　ただそこにいるだけで、心豊かな時間が過ごせるようなスポットがたくさんあること。

　人間関係がべたべたしておらず、他人に干渉しない風土であること。

　常に変化や発見があって、落ち着きよりもワクワク感があること。

　私のこれらの要求をほぼ満たしてくれたのが、この江坂という街でした。

　この街には公園や街路樹の緑がたくさんありますが、これらは本当の意味での自然(nature)ではありません。 本当の自然ではないから私は好きなのです。しかしながら、都会には、「人間という自然」があふれています。

　人工的に統御された環境に安らぎを覚える私のような者は、世間ではおそらく少数派でしょう。
　多くの人たちが生き生きと活動していることから醸し出されるパワーが好きです。 人ごみの中にいるときが、いちばん落ち着きます。 コンクリートジャングルの中に漂うことが、最も私の魂を解放してくれます。

　そして江坂は、そんな気持ちに応えてくれる街なのです。

　子育てには都会ではなく、緑豊かな環境がいいという意見が多いですが、私はそうは思いません。 小さな頃から様々な刺激に触れ、好奇心旺盛でチャレンジ精神のある人になって欲しい。 この街で生まれた我が家の息子は、この都会の喧噪の中で、元気に育っています。